脂肪肝と言われたらどうする?放置していい?まず確認したいこと

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結論:脂肪肝だけなら、すぐに肝硬変になるわけではありません

健康診断や腹部エコー(超音波検査)で「脂肪肝」と言われると、「肝臓が悪くなっているのでは?」と心配になるかもしれません。

脂肪肝とは、肝臓に脂肪がたまっている状態です。脂肪肝があるからといって、すぐに重い肝臓の病気になるわけではありません。

ただし、一部の人では、長い時間をかけて肝臓の細胞が傷つき、肝臓が硬くなっていくことがあります。この変化を**線維化(せんいか)といいます。線維化が進むと、将来的に肝硬変(肝臓が硬くなり、働きが低下した状態)**につながることがあります。

そのため、脂肪肝を指摘されたら、単に「脂肪を減らそう」と考えるだけでなく、肝臓が硬くなっていないかを確認することが大切です。

まず何をすればいい?

脂肪肝を指摘されたら、まず健診結果を持って内科を受診しましょう。

確認したいのは、主に次の3つです。

① 肝臓の状態を血液検査で確認する
② 肝臓が硬くなっている可能性を調べる
③ 体重や食事、運動、飲酒を見直す

血液検査では、AST・ALTという項目を確認します。これは、肝臓の細胞が傷ついている程度の目安となる数値です。

さらに、年齢、AST、ALT、血小板数から**FIB-4(フィブフォー)**という数値を計算することがあります。これは、肝臓が硬くなっている可能性が高い人を見つけるための「ふるい分け」の方法です。

FIB-4だけで肝硬変などを診断するわけではありません。数値が高い場合には、肝臓の硬さを測る検査などを追加することがあります。

なぜ脂肪肝を放置しないほうがいいの?

脂肪肝は、肥満、糖尿病、血圧やコレステロールの異常などと関係しています。

こうした代謝の異常と関連する脂肪肝は、現在では**MASLD(マスルド)**と呼ばれています。以前は「NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)」という名前が使われていました。

ただし、名前を覚える必要はありません。

重要なのは、脂肪肝がある人のすべてで肝臓が悪くなるわけではないものの、一部では肝臓の傷みが続いて硬くなることがあるということです。

また、脂肪肝は肝臓だけの問題ではなく、糖尿病や心臓・血管の病気などとも関係します。そのため、体重や血糖、血圧、コレステロールなども一緒に確認することが大切です。

FIB-4はいくつなら注意が必要?

FIB-4には、肝臓の硬さが進んでいる可能性を判断するための目安があります。

FIB-4一般的な考え方
1.3未満肝臓が硬くなっている可能性は低い
1.3~2.67判断が難しい範囲。追加検査を検討
2.67超肝臓が硬くなっている可能性があり、詳しい検査を検討

ただし、FIB-4が高いから肝硬変という意味ではありません。65歳以上では年齢の影響を考慮して、別の基準を使うことがあります。

FIB-4が高かった場合は、消化器内科や肝臓内科などで、肝臓の硬さを測る検査を受けることがあります。

脂肪肝はどう改善する?

脂肪肝の改善では、体重、食事、運動、飲酒を見直すことが基本です。

体重が多い場合、まず現在の体重の5%程度の減量が一つの目標になります。さらに7~10%程度減量できると、肝臓の炎症の改善が期待できます。

例えば体重80kgなら、まず4kg減らすことが5%減量にあたります。

ただし、短期間で無理に体重を落とす必要はありません。数か月かけて少しずつ減らすことを目指しましょう。

食事は「これを食べれば脂肪肝が治る」という食品はありません。食べ過ぎを減らし、野菜、魚、豆類などを取り入れ、甘い飲み物や加工食品のとりすぎを避けることが大切です。

運動も効果があります。ウォーキングなどの有酸素運動に加えて、筋肉を使う運動も取り入れられるとよいでしょう。まずは、今より体を動かす時間を増やすことから始めてください。

お酒を飲む人では、飲酒量を減らすことも重要です。

脂肪肝なら薬を飲むべき?

脂肪肝があるだけで、薬が必要になるわけではありません。

まずは体重、食事、運動、飲酒を見直します。糖尿病、血圧が高い、コレステロールが高いなどの問題があれば、それらを適切に治療することも重要です。

一方、肝臓の傷みが続いている場合や、肝臓が硬くなっている可能性が高い場合には、詳しい検査や治療が必要になることがあります。

「脂肪肝に効く薬を飲めばよい」と考えるのではなく、まず自分の肝臓がどの程度の状態なのかを確認することが先です。

こんな場合は受診しましょう

脂肪肝を指摘されたら、一度は内科で相談しましょう。

特に、

  • ASTやALTが高い状態が続いている
  • FIB-4が高い
  • 血小板数が低い
  • 糖尿病や肥満がある
  • お酒を多く飲む
  • 肝機能の異常を何度も指摘されている

という場合は、より詳しい検査を検討します。

よくある疑問

お酒を飲まないのに脂肪肝になるのは?

脂肪肝はお酒だけが原因ではありません。体重増加や糖尿病、コレステロールなどの異常が関係するため、お酒をほとんど飲まない人にも起こります。

脂肪肝は自然に治りますか?

軽い脂肪肝であれば、体重や食生活、運動習慣を改善することで肝臓の脂肪が減ることがあります。ただし、自覚症状がないことも多いため、症状だけで治ったかどうかを判断することはできません。

脂肪肝なら肝臓専門医を受診するべき?

全員が専門医を受診する必要はありません。まず内科で血液検査などを確認し、肝臓が硬くなっている可能性が高い場合や肝機能異常が続く場合に、消化器内科・肝臓内科などで詳しく調べるとよいでしょう。

まとめ

脂肪肝があるからといって、すぐに肝硬変になるわけではありません。

ただし、一部の人では時間をかけて肝臓が硬くなる変化が進むことがあります。

脂肪肝を指摘されたら、

①健診結果を持って内科を受診する
②血液検査などで肝臓の状態を確認する
③必要なら肝臓の硬さを調べる
④体重・食事・運動・飲酒を見直す

という順番で考えましょう。

「脂肪肝だから、とにかく痩せればいい」というわけではありません。まず自分の肝臓がどの程度の状態なのかを確認し、そのうえで生活習慣を見直すことが大切です。

参考文献・情報源

  • 日本肝臓学会「MASLD診療ガイドライン2026(改訂第3版)」
  • EASL-EASD-EASO. Clinical Practice Guidelines on the Management of MASLD. 2024.
  • 日本肝臓学会「肝疾患診療ガイドライン」

記事作成日:2026年9月3日
最終更新日:2026年9月3日

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この記事を書いた人

総合診療専門医、家庭医療専門医・指導医

現在は農村地域の中規模病院で幅広い診療に携わり、特に予防医療に関心を持っています。

「からだの羅針盤」は、健診結果・予防接種・がん検診などについて、医学的な根拠をもとに、一般の方にも分かりやすく解説するサイトです。

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