LDLコレステロール50mg/dLは低すぎる?原因と受診の目安

目次

結論:LDL50mg/dLは低い値ですが、それだけで問題とは限りません

健康診断でLDLコレステロールが50mg/dLだったら、「低すぎるのでは?」と心配になるかもしれません。

結論からいうと、LDLコレステロール50mg/dLは低い値ですが、数値だけで病気がある、危険な状態であるとはいえません。

特に、コレステロールを下げる薬を飲んでいる人では、治療によって50mg/dL程度まで低下することがあります。心筋梗塞などの再発を防ぐため、あえてLDLを低くする治療を行っている場合もあります。

一方、薬を飲んでいないのにLDLが50mg/dLだった場合や、以前より急に低くなった場合は、原因を確認することが大切です。

まず何をすればいい?

LDL50mg/dLと指摘されたら、まず次の3点を確認しましょう。

  • コレステロールを下げる薬を飲んでいるか
  • 以前のLDLコレステロールも低かったか
  • ほかの血液検査に異常がないか

薬を飲んでいる場合は、自己判断で中止しないでください。

薬を続けるか、量を調整するかは、LDLの数字だけでなく、心筋梗塞などの病気の有無や、その人の心臓・血管の病気になるリスクを考えて判断します。

LDLコレステロール50mg/dLはどのくらい低い?

LDLコレステロールは、血液中にある脂質の一種で、「悪玉コレステロール」と呼ばれることもあります。

LDLが高い状態が続くと、血管にコレステロールがたまり、心筋梗塞や脳梗塞などにつながる動脈硬化の原因になります。

日本動脈硬化学会では、LDLコレステロール140mg/dL以上を高LDLコレステロール血症としています。

一方、LDLが低い場合には、「この値を下回れば必ず病気」という診断基準があるわけではありません。ただし、日本動脈硬化学会では、LDLコレステロール70mg/dL未満を低脂血症の目安の一つとしています。

そのため、50mg/dLは低い値です。

ただし、LDLは低ければ低いほど問題になるわけではありません。

心筋梗塞などの再発予防では、薬によってLDLを50mg/dL未満まで下げることがあります。大規模な研究でも、LDLを大きく下げることで心筋梗塞などの心臓や血管の病気を減らせることが確認されています。

つまり、「50mg/dLだから危険」と考えるのではなく、「なぜ50mg/dLなのか」を考えることが重要です。

LDLが50mg/dLになる主な原因

① コレステロールを下げる薬

まず確認したいのが薬の影響です。

コレステロールを下げる薬には、肝臓でコレステロールを作りにくくする薬(スタチン)、食事からのコレステロールが腸から吸収されるのを抑える薬(エゼチミブ)、**LDLを強力に下げる注射薬(PCSK9阻害薬)**などがあります。

これらを使うと、LDLが50mg/dL程度まで低下することがあります。

特に心筋梗塞や狭心症などの病気がある人では、再発を防ぐためにLDLを低くする治療が行われます。この場合、LDL50mg/dLは「薬が効きすぎている」とは限らず、治療によって目標までLDLを下げられている可能性があります。

② ほかの病気や栄養状態

薬を使っていないのにLDLが低い場合は、ほかの原因を考えます。

たとえば、甲状腺の働きが強くなりすぎる病気、肝臓の病気、栄養不足、食べ物をうまく吸収できない病気、慢性的な炎症や感染症などでもLDLが低くなることがあります。

ただし、LDL50mg/dLだからといって、これらの病気をすべて検査するわけではありません。

体重減少、食欲低下、下痢、動悸などの症状があるか、ほかの血液検査に異常があるかなどを確認し、必要な検査を選びます。

③ 生まれつき低い

もともとLDLが低い人もいます。

若いころからLDLが低く、家族にも同じような人がいる場合には、生まれつきの体質や遺伝が関係していることもあります。

LDL50mg/dLなら食事で上げたほうがいい?

基本的には、LDLを50mg/dLから上げるために脂っこい食事を増やす必要はありません。

「LDLが低いから肉や卵をたくさん食べよう」と考えるのは適切ではありません。

食欲がない、体重が減っている、食事量が少ないという場合には、LDLの数字だけではなく、十分なエネルギーやたんぱく質をとれているかを確認することが大切です。

受診したほうがよいのはどんなとき?

次のような場合は、一度内科で相談してみましょう。

  • コレステロールを下げる薬を飲んでいないのにLDLが50mg/dLだった
  • 以前は正常だったのに、急にLDLが低くなった
  • LDLだけでなく、総コレステロールなども低い
  • 体重が減っている、食欲がない
  • 動悸、手の震え、汗をかきやすいなどの症状がある
  • 健診で肝臓など、ほかの項目にも異常を指摘された

受診するなら、まずは内科で構いません。

過去の健診結果やお薬手帳があれば持参しましょう。以前から低かったのか、薬によるものなのかを判断する手がかりになります。

よくある疑問

LDL50mg/dLなら薬をやめたほうがいい?

自己判断ではやめないでください。

LDLを低く保つことが治療の目的になっている人もいます。特に心筋梗塞などを起こしたことがある人では、再発を防ぐためにLDLを低くすることが重要です。

LDL50mg/dLは低脂血症?

日本動脈硬化学会では、LDL70mg/dL未満を低脂血症の目安の一つとしています。そのため、50mg/dLは低値にあたります。

ただし、低値だからといって、必ず治療が必要な病気というわけではありません。

薬によるものなのか、生まれつきなのか、ほかの病気によるものなのかによって対応は変わります。

まとめ

LDLコレステロール50mg/dLは低い値ですが、それだけで危険な状態とはいえません。

まず確認したいのは、

「コレステロールを下げる薬を飲んでいるか」
「以前から低かったか」
「ほかの検査値や症状に異常がないか」

の3点です。

薬を使っている場合は、自己判断で中止せず、主治医に相談してください。

薬を使っていないのに50mg/dLだった場合や、以前より急に低下した場合は、内科で原因を確認するとよいでしょう。

LDLの数字だけを見て心配するのではなく、「なぜ低いのか」を確認することが大切です。

参考文献・情報源

  • 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版」
  • 日本動脈硬化学会「脂質異常症診療のQ&A」
  • 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」
  • Sabatine MS, et al. Evolocumab and Clinical Outcomes in Patients with Cardiovascular Disease. N Engl J Med. 2017;376:1713-1722.

記事作成日:2026年9月5日
最終更新日:2026年9月5日

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この記事を書いた人

総合診療専門医、家庭医療専門医・指導医

現在は農村地域の中規模病院で幅広い診療に携わり、特に予防医療に関心を持っています。

「からだの羅針盤」は、健診結果・予防接種・がん検診などについて、医学的な根拠をもとに、一般の方にも分かりやすく解説するサイトです。

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