「新型コロナは以前ほど話題にならないけれど、ワクチンは今も受けた方がいいの?」
そう思う人もいるのではないでしょうか。
結論:今も接種する意味があります。ただし、メリットの大きさは人によって違います
新型コロナワクチンは、現在も重症化や入院を防ぐことを主な目的として接種するワクチンです。
65歳以上の高齢者や妊婦、基礎疾患がある人などの重症化リスクがある人は秋冬の接種を検討してください。
65歳以上の人と、60~64歳で一定の基礎疾患がある人は定期接種の対象です。
なぜ新型コロナワクチンを接種するの?
現在の新型コロナワクチンは、感染そのものを完全に防ぐことよりも、感染したときの入院や重症化、死亡を減らすことを主な目的としています。
新型コロナウイルスは以前と比べて社会への影響が小さくなった一方、重症化する人がいなくなったわけではありません。特に高齢者や基礎疾患のある人では、現在も重症化に注意が必要です。
そのため、「コロナはもう終わったからワクチンも必要ない」と考えるのではなく、自分にとって接種するメリットがどの程度あるのかを考えることが大切です。
どんな人は特に確認しておきたい?
米国CDC(米国疾病予防センター)は、2025~2026年シーズンについて6か月以上のすべての人を対象に、個々の状況に応じた判断に基づいて、新型コロナワクチンの接種を推奨しています。その中でも高齢者や基礎疾患がある人、高齢者施設入所者、妊婦・授乳婦などは接種の重要性が高いとしています。
日本プライマリ・ケア連合学会のおとなとこどものワクチンサイトには現在記載ページがありませんが、日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会の2026年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解では、高齢者に対する定期接種を強く推奨しています。
これらを踏まえると、6ヶ月以上のすべての人に接種を検討するワクチンではありますが、次のような条件がある人は新型コロナが重症化するリスクが高く、特に新型コロナワクチンによるメリットが大きいと言えます。
- 65歳以上
- 心臓、肺、腎臓などの病気がある
- 糖尿病や肥満などの基礎疾患がある
- 免疫が低下する病気や治療を受けている
- 妊娠中、授乳中、妊娠を考えている
- 高齢者など、重症化しやすい人と生活している
日本では65歳以上などが定期接種の対象です
日本では、65歳以上の人と、60~64歳で一定の基礎疾患がある人が、秋冬の定期接種の対象です。
ここで注意したいのは、「定期接種の対象」と「ワクチンを受けるメリットがある人」は同じ意味ではないことです。
65歳未満でも、重症化しやすい人には接種するメリットがあります。定期接種の対象でなくても、任意接種として接種できます。
費用についてですが、定期接種の対象者は自治体が費用の一部を負担するため、自己負担額は自治体によって異なります。一つの目安として、定期接種の自己負担は5,000円程度です。
一方、任意接種は全額自己負担です。任意接種の料金は医療機関によって異なりますが、15,000円程度です。
| 定期接種 | 任意接種 | |
|---|---|---|
| 主な対象 | 65歳以上など | 定期接種の対象外の人 |
| 自己負担額の一例 | 5,000円程度 | 15,000円程度 |
| 費用の決まり方 | 自治体によって異なる | 医療機関によって異なる |
全額公費による接種は2024年3月末で終了し、現在は定期接種でも原則として自己負担があります。ただし、低所得者などでは自己負担が免除される場合があります。
筆者の考え
CDCは、6か月以上のすべての人を対象に、個々の状況を踏まえて接種を判断する方針を示しています。
一方、日本ではインフルエンザワクチンと比べて、新型コロナワクチンは定期接種の対象となる人が限られています。また、定期接種の対象外では自治体の助成を受けられず、自己負担が大きくなります。さらに、ワクチンによる効果は時間とともに低下するため、毎年の接種を考える必要があります。
そのため、健康な若い人を含め、すべての人に毎年接種を勧めることには慎重です。
一方で、65歳以上などの定期接種の対象者は、新型コロナによる重症化・死亡リスクが高く、日本の3学会も高齢者への定期接種を強く推奨しています。費用面でも定期接種では自己負担が抑えられるため、定期接種の対象となる人には、毎年の接種を積極的に検討してほしいと考えています。
また、定期接種の対象ではなくても、妊娠中の人や、若くても基礎疾患がある人、免疫機能が低下している人では、新型コロナが重症化する可能性があります。このような人は、年齢だけで「自分には必要ない」と判断せず、接種について医師に相談してみてください。
なお、新型コロナに感染して重症化リスクが高い場合には、パキロビッドパック(ニルマトレルビル/リトナビル)やラゲブリオ(モルヌピラビル)などの抗ウイルス薬による治療を検討することがあります。これらの治療薬は、1割負担の場合でも薬剤費だけで10,000円程度の自己負担額となり、比較的高額です。
まとめ
新型コロナワクチンは、現在も重症化や入院を防ぐことを主な目的として接種するワクチンです。
年齢や基礎疾患などの重症化リスクや定期接種の対象かどうかを確認して接種を検討しましょう。
65歳以上→ 定期接種の対象です。接種を検討してください。
65歳未満で重症化リスクが高い→ 基礎疾患の状態が定期接種の対象か確認してください。定期接種の対象でなくても、接種するメリットがあります。接種を希望する場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
65歳未満で健康→ 接種できないわけではありませんが優先度は比較的低いです。
参考文献・情報源
- 厚生労働省「新型コロナワクチンについて」
- 厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」
- 日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会「2026年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解」
- こどもとおとなのワクチンサイト「新型コロナワクチン」
- CDC「2025–2026 COVID-19 Vaccination Guidance」
作成日:2026年9月18日
最終更新日:2026年9月29日


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