「帯状疱疹ワクチンは受けたほうがいい?」「何歳から受けるの?」「2種類あるけれど、どちらを選べばいい?」
このように迷っている方も多いのではないでしょうか。
結論:50歳以上なら、基礎疾患がなくても接種を検討しましょう
基礎疾患があってもなくても、50歳以上の人であれば帯状疱疹ワクチンの接種を検討しましょう。
2026年度は、年度内に65・70・75・80・85・90・95・100歳になる人などが定期接種の対象です。一方、65歳未満の人でも、自治体によっては独自の助成制度があります。
ワクチンは、生ワクチン(ビケン)と組換えワクチン(シングリックス)の2種類があります。予防効果の点では組換えワクチンが優れています。
なぜ帯状疱疹ワクチンを接種するの?
帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが体内に残り、年齢や免疫機能の変化などをきっかけに再び活動することで起こります。年齢が上がるほど発症しやすく、皮膚の症状が治ったあとも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」になることがあります。
そのため、糖尿病やがんなどの基礎疾患がない人でも、50歳以上なら帯状疱疹ワクチンを検討しましょう。米国CDC(米国疾病予防管理センター)と日本プライマリ・ケア連合学会のおとなとこどものワクチンサイトのどちらも、50歳以上のすべての成人にワクチン接種を推奨しています。
また、50歳未満でも、免疫機能が低下している人は接種を推奨されています。たとえば、がんの治療中、免疫を抑える薬を使用している人、免疫機能が低下する病気がある人などが該当します。
帯状疱疹ワクチンはいくらかかる?
帯状疱疹ワクチンは2025年度から定期接種になりました。
「定期接種」とは、国が接種を勧めているワクチンを、自治体の公費負担を受けて接種できる制度です。無料とは限らず、自己負担額は自治体によって異なります。
2026年度は、年度内に65歳になる人が基本的な対象です。また、2029年度までの経過措置として、年度内に70・75・80・85・90・95・100歳になる人も対象です。60~64歳で、HIVによる免疫機能の障害があり日常生活がほとんど不可能な人も対象となります。
例えば名古屋市の2026年度では、定期接種の自己負担額は、
- 生ワクチン(ビケン):4,200円・1回
- 組換えワクチン(シングリックス):10,800円・1回、2回合計で21,600円
です。
定期接種の対象外でも、50歳以上を対象に自治体独自の助成を行っている場合があります。住んでいる自治体の制度を確認しましょう。
また、私の勤務する自治体では50~64歳を対象に助成を行っており、定期接種とほぼ同額の自己負担になっています。
一方、全額自費で接種する場合は、医療機関によって異なりますが、生ワクチンは7,000~10,000円程度、組換えワクチンは1回20,000~30,000円程度が目安です。
ワクチンは2種類。どう選ぶ?
日本で使用されているのは、生ワクチン(ビケン)と組換えワクチン(シングリックス)の2種類です。
| 生ワクチン(ビケン) | 組換えワクチン(シングリックス) | |
|---|---|---|
| 接種回数 | 1回 | 2回 |
| 接種方法 | 皮下注射 | 筋肉注射 |
| 帯状疱疹の予防効果 | 約50% | 約90%以上 |
| 費用 | 比較的安い | 高め |
| 免疫機能低下時 | 接種できない | 接種できる場合がある |
生ワクチンは、60歳以上を対象とした試験で帯状疱疹の発症を約51%減らしました。一方、組換えワクチンは50歳以上を対象とした試験で約97%、70歳以上では約90%の予防効果が確認されています。
こうした高い予防効果を背景に、米国CDCは、50歳以上の成人に対して組換えワクチン(シングリックス)を2回接種することを推奨しています。
そのため、費用や接種回数を抑えたい人は生ワクチン、予防効果をより重視する人は組換えワクチンが選択肢になります。
こんな人は接種前に医師へ相談しましょう
次のような人は、接種前に医師へ相談してください。
- 抗がん剤などの治療を受けている
- 免疫を抑える薬を使用している
- 血液の病気がある
- HIV感染症などで免疫機能が低下している
特に生ワクチン(ビケン)は生きたウイルスを使っているため、免疫機能が低下している人には接種できません。
一方、組換えワクチン(シングリックス)は免疫機能が低下している人でも接種できます。
筆者の意見
筆者は、帯状疱疹ワクチンは成人において最も優先度の高いワクチンの一つと考えています。
2種類のワクチンで迷う方もいると思いますが、筆者個人としては、「どうせ接種するのであれば、費用が数万円高くなっても、予防効果の高い組換えワクチンを選びたい」と考えています。
実際、筆者自身はまだ帯状疱疹ワクチンの接種が推奨される年齢ではないため、現時点では接種していません。一方で、自分の親には、組換えワクチンの接種をすすめました。
よくある疑問
Q. 50歳未満でも受けられますか?
組換えワクチンは、帯状疱疹の発症リスクが高い18歳以上の人にも使用できます。免疫機能が低下する病気や治療を受けている人は接種が推奨されるため、主治医に相談してください。
Q. 2種類とも接種したほうがいいですか?
基本的には、どちらか一方を選択します。すでに接種したことがある場合は、接種歴を医療機関に伝えましょう。
Q. 過去に帯状疱疹になったことがあっても接種したほうがよいですか?
はい。過去に帯状疱疹になったことがある人も、ワクチン接種が推奨されています。
帯状疱疹は一度発症しても、再び発症することがあります。そのため、「一度かかったから、もうワクチンは必要ない」とは考えません。
CDCでは、50歳以上の成人について、過去に帯状疱疹になったことがあるかどうかにかかわらず、組換えワクチン2回接種を推奨しています。
ただし、現在帯状疱疹を発症している場合は、急性期が治まってから接種します。過去の帯状疱疹から「何か月空ける」といった決まった期間はありません。
まとめ
帯状疱疹は年齢とともに発症しやすくなり、治ったあとも痛みが残ることがあります。
50歳以上なら、基礎疾患がなくても帯状疱疹ワクチンの接種を検討しましょう。
まずは、「自分は定期接種や助成の対象か」「自己負担はいくらか」を確認してください。
そのうえで、費用や接種回数を重視するなら生ワクチン、予防効果をより重視するなら組換えワクチンというように、自分に合った選択肢を考えましょう。
参考文献・情報源
- 厚生労働省「帯状疱疹ワクチン」
- 日本皮膚科学会「帯状疱疹診療ガイドライン2025」
- 名古屋市「帯状疱疹予防接種」
- CDC「Shingles Vaccination」
- おとなとこどものワクチンサイト「帯状疱疹ワクチン」
記事情報:2026年8月25日作成/最終更新:2026年9月26日


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