胃がん検診は何歳から?胃カメラとバリウム、費用や受け方を解説

「胃がん検診は何歳から受ければいい?」「胃カメラとバリウムはどちらがいい?」「費用はいくら?」と迷う人も多いでしょう。

目次

結論:50歳以上なら、2年に1回の胃がん検診が基本

国が推奨している胃がん検診は、50歳以上の人を対象に2年に1回です。

検査は、胃内視鏡検査(胃カメラ)と胃部X線検査(バリウム検査)のどちらかを選びます。

ただし、胃の症状がある場合は、検診を待たずに医療機関を受診してください。胃がん検診は、基本的に症状のない人を対象とした検査だからです。

まず何をすればいい?

50歳以上の人は、まず住んでいる自治体の胃がん検診を確認しましょう。

検査方法、費用、予約方法などは自治体によって異なります。

国の指針では50歳以上・2年に1回が基本ですが、胃部X線検査については、当分の間、40歳以上を対象に年1回行うことも認められています。そのため、40代の人も自治体の案内を確認してみるとよいでしょう。

胃がん検診はいくら?大阪市を例にすると

胃がん検診の費用は自治体によって異なります。

大阪市の2026年度の場合、50歳以上を対象に、

検査自己負担受診間隔
胃部X線検査(バリウム)500円年度内に1回
胃内視鏡検査(胃カメラ)1,500円2年度に1回

となっています。

胃内視鏡検査を受けた場合、翌年度は大阪市の胃がん検診として胃カメラ・バリウムのどちらも受けられません。

ただし、大阪市の500円・1,500円という金額が全国共通というわけではありません。自治体によって費用や対象年齢、受診間隔は異なります。実際に受診するときは、お住まいの自治体の最新情報を確認してください。

なお、胃カメラで検査中に異常が見つかり、生検(組織を採取して詳しく調べる検査)を行った場合は、検診費用とは別に保険診療の費用がかかります。

胃カメラとバリウム、どちらを選ぶ?

胃カメラ

胃カメラは、口または鼻からカメラを入れて、胃の中を直接観察する検査です。

胃の粘膜を直接確認でき、異常が疑われる場合には、生検を行うこともあります。

一方で、カメラを入れることに苦痛や抵抗感を持つ人もいます。また、検査に伴う偶発症が起こる可能性もあります。

バリウム検査

バリウムと発泡剤を飲み、X線で胃を撮影する検査です。

胃カメラを入れないため、内視鏡が苦手な人でも受けやすい一方、検査後にバリウムを排出する必要があります。まれに便秘や腸閉塞などが起こることもあります。

どちらか一方が、すべての人にとって「より良い」とは言えません。自治体で受けられる検査、自分が受けやすい方法などを考えて選びましょう。

なお、胃カメラとバリウムを毎年交互に受ける方法は、検査による不利益が増える可能性があるため推奨されていません。

「要精密検査」だったら?

検診結果に「要精密検査」と書かれていたら、症状がなくても精密検査を受けてください。

「要精密検査=胃がん」という意味ではありません。検診で詳しく調べる必要がある所見が見つかったということです。

バリウム検査で要精密検査となった場合は、一般的に胃カメラで詳しく調べます。必要に応じて組織を採取し、がんかどうかを確認します。

「症状がないから大丈夫」と自己判断せず、検診結果に記載された医療機関や消化器内科などに相談しましょう。

胃の症状があるなら、検診を待たない

次のような症状がある場合は、次回の検診を待たずに医療機関を受診してください。

  • 胃の痛みや不快感が続く
  • 食欲が落ちた
  • 食事がつかえる
  • 体重が減ってきた
  • 黒い便が出る
  • 貧血を指摘された

このような場合は、内科や消化器内科に相談するとよいでしょう。

胃がんは早期には症状がないことも少なくありません。一方で、検診にも「がんを完全に見つけられるわけではない」という限界があります。症状が出た場合は、検診結果にかかわらず診察を受けることが大切です。

ピロリ菌を除菌したら、検診は不要?

ピロリ菌を除菌した後も、定期的な検査を続けることが大切です。

ピロリ菌の感染は胃がんのリスクを高めます。除菌によってリスクは低下しますが、ピロリ菌の感染以外にも遺伝や喫煙・飲酒など、胃がんのリスクは様々なため除菌後に胃がんが発生することがあります。

すでに胃の病気で定期的に胃カメラを受けている人は、自治体の検診とは別に主治医の判断で検査を受けている場合があります。その場合は、自治体の検診を重ねて受ける必要があるか主治医に確認しましょう。

胃がんを予防するためにできること

胃がんの予防では、禁煙、塩分のとりすぎを避けること、ピロリ菌感染がある場合に除菌を検討することなどが挙げられます。

ただし、こうした対策をしても胃がんを完全に防げるわけではありません。

「胃がんになりにくくすること」と「胃がんを早く見つけること」は別の対策として考えましょう。

筆者の考え

私の父は胃がんになったことがあり、私自身もピロリ菌に感染している可能性について一度確認しておきたいと考えています。

胃がん検診としては50歳以上・2年に1回が基本ですが、私は職場の検診などで胃カメラを選べる機会があれば、年齢にかかわらず一度受けてみたいと思っています。

ただし、胃カメラを受ければピロリ菌感染の有無が必ず分かるわけではありません。胃カメラで胃の粘膜の状態を確認し、必要に応じてピロリ菌の検査を行うことになります。

また、胃カメラとバリウムのどちらを選ぶかについて、私は胃カメラを選びたいと考えています。

バリウム検査で異常が見つかった場合には、精密検査として胃カメラを受けることになるためです。胃カメラでは、胃の粘膜を直接観察でき、必要であればその場で組織を採取して詳しく調べることもできます。

もちろん、胃カメラには検査の苦痛や偶発症があり、バリウム検査にもメリットがあります。そのため、胃カメラがどうしても苦手な人が無理をして受ける必要がある、という意味ではありません。

私自身は、胃カメラを受けられる状況であれば、胃の状態を直接確認できることや、必要に応じて組織検査まで進められることを考えて、胃カメラを選びたいと思っています。

よくある疑問

40代は胃がん検診を受けなくてもいい?

国が推奨する胃がん検診の対象は50歳以上です。

ただし、胃部X線検査については、当分の間、40歳以上・年1回の実施も認められています。自治体によって制度が異なるため、40代の人も住んでいる地域の案内を確認してみましょう。

まとめ:胃がん検診で迷ったら

胃がん検診は、次のように考えると分かりやすいでしょう。

50歳以上の方は2年に1回の胃がん検診を確認してください。
自治体の検診なら、少ない自己負担で受けられる場合があります。

胃カメラとバリウムで迷う方は、自治体で受けられる方法を確認し、自分が受けやすい検査を選んでください。

ただし、胃の症状がある方は検診を待たず、内科・消化器内科を受診しましょう。

参考文献・情報源

  1. 厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」令和7年12月24日一部改正
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス「胃がん検診について」
  3. 日本消化器がん検診学会「対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル2024 改訂第2版」
  4. 大阪市「胃がん検診を受けましょう」
  5. 日本プライマリ・ケア連合学会 予防医療・健康増進・産業保健委員会 予防医療チーム「根拠に基づく予防医療 推進サイト」 根拠に基づく予防医療 推進サイト

作成日:2026年8月26日
最終更新日:2026年10月6日

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この記事を書いた人

総合診療専門医、家庭医療専門医・指導医

現在は農村地域の中規模病院で幅広い診療に携わり、特に予防医療に関心を持っています。

「からだの羅針盤」は、健診結果・予防接種・がん検診などについて、医学的な根拠をもとに、一般の方にも分かりやすく解説するサイトです。

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